どうなる日本経済 専門家が見るベストシナリオと最悪シナリオ

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「再び宣言を出すことがないように対策をしっかりやるのが私の責務だ」。2度目の緊急事態宣言の全面解除を決めた菅義偉首相は記者会見でこう強調したが、そのわずか1カ月後、日本経済は3度目の宣言発令に苦しむことになる=首相官邸で3月18日午後、竹内幹撮影
「再び宣言を出すことがないように対策をしっかりやるのが私の責務だ」。2度目の緊急事態宣言の全面解除を決めた菅義偉首相は記者会見でこう強調したが、そのわずか1カ月後、日本経済は3度目の宣言発令に苦しむことになる=首相官邸で3月18日午後、竹内幹撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2021年1~3月期の日本経済はマイナス成長に沈んだ。このままいけば4~6月期もプラス転換できないとの見方もあり、景気低迷が長引く可能性すら出てきた。東京オリンピック・パラリンピックを起爆剤に底堅い推移が期待された日本経済。暗く、長いトンネルに入ってしまったのか。回復の糸口は何なのか。日本を代表するシンクタンクを訪ね、この先の日本経済が歩むベストシナリオ、ワーストシナリオをそれぞれ探った。

ベストシナリオ、ワクチンの浸透次第

 日本経済は今から約1年前に発令された1回目の緊急事態宣言の影響で、20年4~6月期に戦後最悪のマイナス成長に沈んだ。7~9月期、10~12月期と2四半期連続でプラス成長を実現したが、年明けに2回目の緊急事態宣言が出たことで再び急ブレーキがかかった。

 政府が描いていたのは、4~6月期に経済を「V字回復」させ、7~9月期は東京五輪で勢いをつけ、21年度中に日本経済をコロナ禍前の水準に戻すシナリオだ。ただ、たとえ日本経済がその「ベストシナリオ」を実現したとしても、回復の遅れは避けられそうにない。

 「ベストシナリオの必須条件は、ワクチン接種の加速と国内外の感染抑制。これを成功させ、インバウンド(訪日外国人)需要を再び呼び込むなど循環的な景気回復基調を実現する必要がある」

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎・主席研究員はこう指摘する。テレワークやデジタル化といったコロナ禍で加速した働き方改革をさらに進め、日本の労働生産性を上げることができれば、さらなる景気の上向きにもつながるという。

 ただし、3回目の緊急事態宣言…

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