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わくわく山歩き 鳥海山 「心」の形に残る雪

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雪解け水が注ぎ込む沢から仰ぐ鳥海山。ブナ林を抜けてふもとに向かう=筆者撮影
雪解け水が注ぎ込む沢から仰ぐ鳥海山。ブナ林を抜けてふもとに向かう=筆者撮影

 「鳥海山の歌」には、夏になっても雪が消えないこと、そこから雪解け水が流れ出し、お花畑が広がることが、約(つづ)まやかな歌詞で表現されている。歌がいいなあと思うのは、歌詞がメロディーに乗り歌われ、その光景が目に浮かぶときだ。鳥海山の青々とした山肌が、夏になっても消えない心字雪とコントラストをなして、とてもすがすがしい姿をしている。それが、鳥海山を見たことも登ったこともなく、歌の世界でしか知らなかった当時の私にとっての、姿だった。心字雪というのは、「心」という漢字の形に残る雪のことであると、楽譜の下に注釈があったので、これは見てみたいと思った。あまたある山の歌のなかで、誰もが知っている有名なフレーズをもつ歌よりもなによりも、なぜ真っ先に「鳥海山の歌」を覚えたのか。それは偶然だった。中学校で配られた歌集に載っていたのに目が留まったのだ。高校にあがり山岳部に入部したら、顧問の池田正明先生の故郷が山形であり、繰り返し鳥海山の話を聞くことになったのだから、偶然はふたつ重なった。いまになってしみじみと思うのは、鳥海山は池田先生にとって故郷の大切な、唯一…

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