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小笠原諸島の先住民をルーツに持つ「小笠原人」を撮り続ける写真家がいる。東京都世田谷区の長沢慎一郎さん(44)。十数年間にわたって撮りためた作品を紹介する写真展を新宿で開催中で、19日には写真集を出す。長沢さんは「写真を通して、小笠原人の存在、歴史を伝えたい」と話す。
初めて小笠原を訪れたのは、2008年2月だった。旅行雑誌の小笠原特集に掲載されていた、古い白黒の家族写真をみて、突き動かされたという。欧米系の顔つきをしたこどもたちが、なぜか日本の着物を着ている。「こんな日本もあるのか」。「自然豊かな南の観光地」としてしか思い浮かばなかった小笠原を、もっと知りたいと思った。
小笠原の歴史は複雑だ。無人島だった小笠原に人が住みついたのは1830年、欧米人と太平洋諸島民の二十数人だった。その後、捕鯨船の寄港地として発展、76年には日本の領土となり、本土からの入植者も相次いだ。
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