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入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

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入管法改正、今国会断念 支援者安堵「世論の高まり無視できない」

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大村入国管理センター=長崎県大村市で2019年10月4日午前10時29分、今野悠貴撮影 拡大
大村入国管理センター=長崎県大村市で2019年10月4日午前10時29分、今野悠貴撮影

 外国人の在留管理を厳格化する入管法改正案の今国会での成立を政府・与党が断念したことを受け、長崎県大村市の大村入国管理センターで収容されている外国人との面会を続けている支援者らは胸をなで下ろした。ただ、帰国が困難な人の収容が長期化している問題は依然として残っていることから、今後の政府の姿勢に厳しい目を向けた。

 「成立断念は入管行政に不信感を向ける世論の高まりの結果だ」。大村入国管理センターでの面会で収容者の悩みを聞いてきた長崎インターナショナル教会の柚之原(ゆのはら)寛史牧師(53)は安堵(あんど)した。だが、センターには今も約30人が収容され、9年目に入っている人もいるといい、柚之原さんは「人権を無視する長期収容の問題は何ら解決されていない」と指摘した。

大村入国管理センターで収容者が生活する部屋=長崎県大村市で2019年1月9日午後1時27分、今野悠貴撮影 拡大
大村入国管理センターで収容者が生活する部屋=長崎県大村市で2019年1月9日午後1時27分、今野悠貴撮影

 入管法見直しのきっかけは、大村入国管理センターで2019年6月に長期収容に耐えかねてハンガーストライキを続けていた40代のナイジェリア人男性が餓死したことだ。その後も仮放免を求める収容者のハンストが相次ぎ、政府は21年2月に国外退去処分を受けた外国人の長期収容を解消する目的で入管法改正案を提出した。

 だが、改正案は難民認定申請中であっても3回目以降は送還できるとし、事情を抱えて帰国できない外国人収容者を支援する人権団体から「法の改悪だ」と強い反発の声が上がっていた。九州で収容者の国家賠償請求を手がける稲森幸一弁護士は「長期収容解決のために送還ありきの議論は、世界の普遍的価値に反している」と指摘したうえで、「おかしいという世論の高まりを政府はもう無視できないはずだ」と話した。【今野悠貴】

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