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木村 衣有子・評『母恋い メディアと、村上春樹・東野圭吾にみる“母性”』大野雅子・著

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食によって喚起されるイメージと意味を探る

◆『母恋い メディアと、村上春樹・東野圭吾にみる“母性”』大野雅子・著(PHPエディターズ・グループ/税込み1980円)

 「おふくろの味」という言葉があまり好きでない。その概念は「お母さん食堂」など、本来は「おふくろ」のいない場所であるはずのコンビニエンスストアにも息づいている。

 巻かれた帯には「男はなぜ、『おふくろの味』が忘れられないのか?」とあるこの本の前半では、お弁当づくりの義務、小林カツ代の肉じゃが、そしておにぎりに、過剰にまぶされた「母性」について考察される。日本で「神話化」されているおにぎりの立ち位置は、フランスのワイン、イギリスの紅茶にもなぞらえられる。ただし後者には「おふくろ」の面影はちらつかない。そもそも家庭で手作りされるものではないしね。

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