行動制限下の欧州で大型コンサートが開かれている理由 実は感染対策

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う規制で音楽やスポーツなどの大型イベントが軒並み中止になっている欧州各国。だがそんな中、大観衆を集めたコンサートがひそかに開かれている。実は、実際のイベントに近い環境で感染リスクなどを調べる“実験イベント”だ。集めたデータがイベント産業復活のカギを握る。

 オランダで厳しい社会規制が続いていた3月6日、アムステルダムの音楽アリーナに1300人が集まった。大型イベント再開の条件を探るため、オランダ政府とイベント産業界でつくる「フィールドラボ」が実施した実験イベントの一つだ。

 参加できるのは新型コロナ検査で陰性だった人のみで、①マスクを着用し、1・5メートルのソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保②移動する時のみマスクを着用③マスクなしで、立つ位置も自由――などの環境で、ウイルスの拡散リスクなどを比較、検証する。会場には音楽が流され、曲に合わせて歌ったり叫んだりすることを求められる参加者もいる。実際に会場が盛り上がった瞬間にどれだけの唾液が飛ぶかなどを調べるためだ。実験を撮影した動画には、ビールなどを片手にDJが流す音楽に合わせて体を揺らす若者らが映っている。

 フィールドラボが2~4月に実施した約20の実験イベントの知見をまとめた報告によると、事前の検査で陰性だった人が参加する場合、屋外なら「通常の50~70%の観客数」、屋内で着席の場合は「適切な換気を行えば、通常の50%の観客数」にすることで、感染リスクを一定程度、抑えられるという。

 オランダでは4月末から飲食店の屋外席の営業が再開するなど、規制緩和が進んでいる。フィールドラボの民間メンバーは10日、地元メディアに対し、イベント産業は雇用10万人を抱えていると訴え、「多くの対策を講じれば、安全に開催できる。次の一歩を踏み出すのは政治家次第だ」と早期再開を求めた。

 一方、国内で感染が拡大する中…

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