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DHC またも「ヘイト声明」…なぜ差別者は「被害者」を装うのか

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日本で暮らすコリアンらへのヘイトスピーチを繰り返してきた団体の街宣活動に抗議する市民たち=川崎市のJR川崎駅前で2020年9月20日午後2時25分、井田純撮影
日本で暮らすコリアンらへのヘイトスピーチを繰り返してきた団体の街宣活動に抗議する市民たち=川崎市のJR川崎駅前で2020年9月20日午後2時25分、井田純撮影

 迷ったが、やはり書くことにした。日本で暮らすコリアンへの差別発言を繰り返してきた健康食品などの販売会社「DHC」の吉田嘉明会長(80)が、またも自社公式サイトで「朝鮮民族は日本の一大マジョリティ」「好きなようにふるまっている」などという声明を出したのだ。自分たちは彼らに支配される「被害者」だ、という情念もにじむ。ファクトチェックしつつ、なぜ差別する側が「被害者」を装うのか、考えてみた。【吉井理記/デジタル報道センター】

 迷った理由は後述するとして、吉田氏は昨年11月以降、自社のライバルであるサントリーの関連会社「サントリーウェルネス」に触れ、「サントリーのCMに起用されるタレントはほぼ全員がコリアン系の日本人」と根拠を示さず断じ、朝鮮半島出身者への蔑称「チョン」という言葉まで持ち出して「ネットではチョントリーと揶揄(やゆ)されている」と発信。4月には「NHK幹部や職員、出演者も多くがコリアン系」「街角のインタビューさえコリアン系を選んでいる」などと書き加えた。

 そして今回。毎日新聞が吉田会長と同社に改めてインタビューと取材を申し込んだが、その2日後の12日、取材を断るとともに、吉田会長名で新たにこんな声明を出したのだ。

 <NHKや朝日新聞や国会議員や弁護士や裁判官や官僚や、はたまた経団連の所属会員等日本の中枢を担っている人たちの大半が今やコリアン系で占められているのは、日本国にとって危険>

 <朝鮮民族は今や日本列島において一大マジョリティであり好きなようにふるまっている>

 <(野党や弁護士、メディアは)自分たちが朝鮮系の日本人なので大和民族が大嫌いです>

 ……妄想というほかない。

 記事にする価値はあるか?

 迷ったのはここだ。こうした発言を改めて報じることで苦痛を感じる人もいる。

 だが米国ですら、…

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