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全盲男性に点字ない接種券 2週間分からず 「電話くれれば…」

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届いた接種券(左)と封筒を前に、「健康増進課から来たことは分かるが、何の通知かは分からない」と話す菊池正光さん。封筒には赤字で「新型コロナウイルスワクチン接種のお知らせ」と書かれている=福島県会津若松市で2021年5月19日、三浦研吾撮影 拡大
届いた接種券(左)と封筒を前に、「健康増進課から来たことは分かるが、何の通知かは分からない」と話す菊池正光さん。封筒には赤字で「新型コロナウイルスワクチン接種のお知らせ」と書かれている=福島県会津若松市で2021年5月19日、三浦研吾撮影

 福島県会津若松市で65歳以上の高齢者へのワクチン接種が始まる中、市内在住の1人暮らしの全盲男性に点字が記されていない接種券の入った封筒が届き、2週間にわたって中身が確認できない状況だったことが明らかになった。市は「対応が不十分で大変申し訳ない」と謝罪した。男性は既にヘルパーの助けを借りて接種を予約した。

 全盲の男性は、はり・きゅう指圧マッサージ師の菊池正光さん(66)。菊池さんの自宅には大型連休前の4月下旬に接種券が入った封筒が届いた。封筒には「あいづわかまつ けんこうぞうしんか」という送り主が分かる点字はあったが、電話予約の時に告げる10桁の受け付け番号をはじめ、封筒内の書類には点字が記されていなかった。菊池さんは週5日、ヘルパーに来てもらっているが、大型連休中は来ないため、気づくのが遅れた。連休明けの5月上旬にヘルパーに書類を読んでもらい、接種券が届いていることに気づいた。

 菊池さんはラジオを聴くなどし、10日からワクチン接種が始まることは知っていたが、「本当に自分が接種を受けられるのか不安だった」と話す。

 市によると、市内で1人暮らしをする全盲の65歳以上の高齢者は10人おり、菊池さんを含む5人が予約を終え、2人は接種を検討中で、別の2人はケアマネジャーや市の力を借りて予約をする予定。残る1人は連絡が取れていないという。

 菊池さんは「全盲の人が1人で予約を終えるのは無理だ。1人暮らしの全盲の人が10人しかいないなら電話してくれればよかった」と話した。ワクチン接種で自治体の負担が増えていることも危惧し、「他の自治体でも同じような人がいると思う。全盲の人間にとっては触ることが見ることだから、点字がないのはつらい」と話した。

 厚生労働省は3月、視覚障害者が情報を入手しやすいよう配慮することを求め、都道府県に事務連絡を出し、福島県も各市町村に通知していた。会津若松市健康福祉部の藤森佐智子部長は「配慮が足りなかった」と釈明した。【三浦研吾】

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