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馬の前では男性も女性もない JRA初の女性騎手がいま思うこと

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元JRA騎手の細江純子さん=千葉県船橋市の中山競馬場で2021年4月18日、吉田航太撮影
元JRA騎手の細江純子さん=千葉県船橋市の中山競馬場で2021年4月18日、吉田航太撮影

 スポーツにおける新記録は時代を映す鏡なのかもしれない。世相や流行を反映することがよくあるからだ。4月、競馬界に新風をもたらす記録が生まれた。女性騎手の乗る馬が1~3着を独占したのだ。翌日、競馬ファンなら誰もが知るあの女性を訪ねた。

 4月17日の新潟競馬第7レース。日本中央競馬会(JRA)に所属する女性騎手3人がそろって登場し、上位を占めた。新人の古川奈穂騎手(20)が乗るクラウンデザイアーが好スタートから優勝し、6年目の藤田菜七子騎手(23)、新人・永島まなみ騎手(18)の騎乗する馬がそれぞれ続いた。その1週間前には藤田騎手と永島騎手が1、2着で、初めて「ワンツーフィニッシュ」を果たしたばかり。何かが起きていると感じた。

 「時代が変わってきたなという印象を受けます」。翌18日の中山競馬場(千葉県船橋市)で、声を弾ませたのは元JRA騎手の細江純子さん(46)だ。毎週日曜放送のフジテレビ「みんなのKEIBA」の解説者でおなじみだが、その表情は番組で見る親しみが湧く姿とも違い、どこか感慨深げに見えた。

 1996年、JRAに初となる女性騎手が3人そろってデビューした。細江さんはその一人だ。「私たちが現役の時は1レースに騎乗するにも難しさがありましたが、いまは多くのレースで騎乗できるようになりました。3人ともきっちり結果を出しており、うまく歯車がかみ合ってきています」

 先輩ジョッキーの目には、3人の特徴はどのように映るのだろうか。2人の新人評はこうだ。「永島さんはお父さんが元騎手。馬が近くにいる環境で育ったこともあり、馬に乗る基礎がしっかりしています。古川さんはとても頭が良い印象でした。将来は頭脳的な乗り方ができるのではないでしょうか」

 藤田騎手はどうか。2016年にJRAで16年ぶりの女性騎手としてデビューし、19年には日本の女性騎手として初めて国内の重賞レースを制した。「海外でも騎乗し、多くの経験を積んでいます。デビュー時より重心が低くなり、乗っている姿がかっこいいです。今後も活躍が期待できます」

 ジェンダー平等が叫ばれて久しいが、競馬界はまだまだ男性中心の社会だ。中央競馬の騎手約140人のうち、女性はわずか3人。競走馬を預かり、厩舎(きゅうしゃ)でトレーニングをする調教師は193人全員が男性だ。そんな環境でも、…

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