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坂村健の目

東洋大情報連携学部(INIAD)の坂村健学部長が科学の視点でつづるコラム。

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リスクとルール

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坂村健氏=2013年2月撮影
坂村健氏=2013年2月撮影

 日本でワクチンを打つのがなぜ遅れているのかといえば、新型コロナウイルスのリスクが日本では超法規的措置をとるところまでいっていないという捉え方もできる。事実、ブルームバーグの「新型コロナ耐性ランキング」で日本は7位だが、ワクチンなしにリスクを低く抑えている他の上位国も皆、接種が遅れているという。

 特に日本の場合「超過死亡」がマイナス。コロナ対策の徹底により他の感染症も減り、全体として死者は減っているという世界でもまれな国だ。このリスクレベルでは、憲法に緊急事態条項の無い日本で法律や人権を無視して移動制限や強制はできないだろう。

 例えば、ワクチン承認に時間がかかり確保に手間取ったのも、必要な治験が低い感染率のせいで進まなかったからと言われる。世界で認可されていても駄目というのは法律のせいだが、薬やワクチンの効果や副反応は人種によって異なることもある。よほどの緊急事態でない限り、国内治験を省略できないことには十分な合理性がある。

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