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入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

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「彼女が生きていけた社会を。今はまだ…」 若者が動かした入管問題

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入管法改正案反対の抗議活動であいさつするヨハナさん=東京都千代田区で2021年4月30日午後6時14分、小出洋平撮影
入管法改正案反対の抗議活動であいさつするヨハナさん=東京都千代田区で2021年4月30日午後6時14分、小出洋平撮影

 「ありがとう!」「God Bless you!(感謝します)」。18日昼に、出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案を政府が取り下げるとの速報ニュースが流れると、国会前で座り込みをしていた支援者や市民、外国人たちが、手を取り合って喜んだ。若者の姿が目立つ。検事総長らの定年延長を可能にする検察庁法改正案が反対世論を受けて見送りになってから、ちょうど1年。市民の声が再び政治を動かした。この1カ月間、入管難民問題取材班のメンバーとして感じたのは、若者たちの力だった。【上東麻子/デジタル報道センター】

 入管法改正案は、国外退去処分を受けた外国人が入管施設に長期収容されるケースを解消するため、退去を拒否した人に対して退去命令を出し、違反すれば罰則を科すことなどを盛り込む。また難民認定の申請が2回却下された場合、手続き中でも退去させることが可能となる。入管の権限を強化するための法改正だ。

 一方、収容期間に上限を設けたり、独立した司法審査を導入したり、難民の認定方法を改善したりするなどの歯止めは見送られたため、反対の声が上がった。国連人権理事会の特別報告者と恣意(しい)的拘禁作業部会が3月末に共同書簡を公表し、国際的な人権基準を満たさないと、日本政府の入管政策を批判していた。

国会前に集まった若者たち

 4月中旬、私が所属するデジタル報道センターを中心に入管難民問題取材班ができた。正直に言うと、私はこの問題について最近まで詳しく知らなかった一人だ。長く取材を続ける先輩記者に誘われ、取材班に加わった。

 4月15日夜、国会前で入管法改正反対を訴えるサイレントスタンディングがあるという。取材に行くと、平日の夜にもかかわらず450人以上が集まっていた。驚いたのは若者の多さだった。国会前の集会は何度も取材しているが、これほど若い人たちが目立つ集会は初めてだった。

 呼びかけ人の一人で、一般社団法人「VOICE UP JAPAN」に所属する福井周さん(23)は、金色に染めたヘアスタイルが似合う普通の学生のようだった。…

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