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ラグビー福岡堅樹、23日引退試合へ 心に残るトライシーン5選

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【キヤノン-パナソニック】後半、自陣から華麗なステップでディフェンスをかわし、独走トライを決めて笑顔のパナソニックの福岡堅樹=埼玉・熊谷ラグビー場で2021年5月8日、竹内紀臣撮影
【キヤノン-パナソニック】後半、自陣から華麗なステップでディフェンスをかわし、独走トライを決めて笑顔のパナソニックの福岡堅樹=埼玉・熊谷ラグビー場で2021年5月8日、竹内紀臣撮影

 医学部進学に伴い、今季限りで現役引退するラグビー元日本代表のウイング(WTB)福岡堅樹(28)=パナソニック。そのプレーが見られるのも、日本選手権を兼ねるトップリーグ(TL)プレーオフトーナメント決勝のみとなった。23日に東京・秩父宮ラグビー場で行われるラストマッチを前に担当記者5人が、福岡の「名トライ」を選んだ。高校時代からワールドカップ(W杯)の舞台に立つまで。写真とともに振り返る。

2019年W杯アイルランド戦

 2年前のW杯日本大会。日本がアイルランドを破った「静岡の衝撃」の試合後を思い出す。顔を紅潮させた福岡は「ティムが絶対に放ってくれると信じていた」と早口でまくし立てた。後半18分、日本は左に展開し、CTBラファエレ・ティモシーが相手に間合いを詰められながら間一髪、外の福岡にパス。福岡がインゴールに飛び込んで勝ち越し、スタジアムを包む歓声が耳に響いた。

 ふくらはぎを痛めていた福岡はロシアとの開幕戦を欠場し、続くアイルランド戦も休養するはずだった。だが、ウィリアム・トゥポウの負傷で急きょベンチ入り。万全の状態ではなくとも際立つ福岡のスピードと、日本が磨き上げた連係が新境地を切り開いた。

 福岡の高校時代の恩師は日本協会の森重隆会長だ。W杯の後、森会長が現役続行を熱望していると伝えると、福岡は「それだけは会長の頼みでも聞けません」と笑ってかわした。快足ウイングとの別れは惜しいが、福岡も日本も次のステージに向かう。【大谷津統一】

第90回全国高校ラグビー大会

 高校時代の聖地での「認定トライ」は格別に違いない。福岡の人生観に影響を及ぼすトライだったから、さらに価値がある。11年前、福岡高3年時の全国高校大会。チーム28大会ぶりに出場した花園で鮮烈な全国デビューを飾った。

 本郷(東京)との1回戦。1点を追う試合終了間際に見せ場は訪れた。左サイドを約40メートル駆け抜けると、トライ直前で相手の反則タックルを受けた。認定トライとなり、劇的逆転勝利の立役者になった。

 実は右膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂した状態でプレーしていた。大会3カ月前に負傷するも「将来どうなってもいい」と手術をせずに強行出場。結果的に「花園での1勝は…

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