雑誌出版の灯がまた一つ…「大阪春秋」終刊 郷土の文化照らして182号  町の来し方掘り下げ、戦争特集に注力

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付録の「決戦画報」=松井宏員撮影
付録の「決戦画報」=松井宏員撮影

 大阪の歴史、文化、町などを掘り下げてきた季刊誌「大阪春秋」が4月発売の182号をもって終刊となった。「大阪人」(2012年終刊)▽「上方芸能」(16年終刊)▽「島民」(21年終刊)に続いて、大阪発の雑誌がまた一つ、姿を消す。

 04年から発行人を務めてきた新風書房社長の福山琢磨さん(87)が、昨年3月に脳梗塞(こうそく)を患い、体力的に発行が困難になった。また、コロナ禍で取材や講演会などの催事ができなくなり、断腸の思いで発行の継続を断念した。ピーク時に5000部あった部数は1500部に落ち込んでいた。福山さんは「大阪の出版文化の灯を消すことになるのはつらいが、体が許してくれない」と話す。88年からライフワークとしてきた戦争体験集「孫たちへの証言」も、昨夏の第33集で原稿の募集を終了した。

 「大阪春秋」は1973年、食品会社を経営する堀内宏昭氏が私財を投じて創刊。堀内氏の死後、経営難で03年に廃刊となったが、頼まれて福山さんが発行を引き受け、翌年復刊。判型をB5判からA4判に、文字も大きくしてビジュアル化を図り、古地図などの付録を付けた。また、特集テーマに合わせた講演会も開催するなど、読者を増やした。

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