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『流れゆくままに』=渡哲也・著

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『流れゆくままに』
『流れゆくままに』

 (青志社・1760円)

 昨夏、昭和最後の大スターだった渡哲也さんが逝去したが、本書はさりげない自伝である。「生まれつきのノンキモノでナマケモノ」というのが彼の口癖だったという。でも、数年前に弟の俳優・渡瀬恒彦さんが亡くなったことは周知だが、幼少期に、すでに兄と末弟が亡くなっていたということを知ると、胸が詰まる。根っから気どらず、謙虚でいたような人柄の裏に、ある種の悲痛な諦念があったのだろう。

 一人の人間としては気楽にいたかったのに、俳優としては人知れず苦悩もあったのだろう。なにしろ、心酔していた石原裕次郎さんの死後、石原プロの社長という重職にもあったのだから、呑気(のんき)な怠け者ではいられなかったにちがいない。

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