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大阪コロナ検証

なぜ大阪で多くの命が奪われたのか 変異株のワナ、重なる悪条件

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大阪市街地=本社ヘリから大西達也撮影
大阪市街地=本社ヘリから大西達也撮影

 新型コロナウイルスの感染「第4波」では、大阪府で多くの人が命を落としている。数字で見ると、その異常さがよくわかる。累計死者数は22日時点で2114人で、東京都(2015人)より多く全国最悪。府が第4波とする3月1日以降、5月21日までのデータを毎日新聞が分析したところ、死者は計973人で全国の22・7%を占め、2位の東京都(634人)を大きく引き離している。同期間の10万人あたりの数字を分析すると、死者数は大阪府が全国最多の11・0人で、東京都(全国5番目の4・6人)の2倍以上だ。感染者数は大阪府が全国ワーストの567人で、東京都は5番目の316人だった。

 変異株による感染爆発から多数の死者が出るまでの経緯をたどると、いくつかの悪条件が重なり、負の連鎖が起きていた。

感染爆発を招いた3条件

 一つ目は、変異株の強い感染力だ。若年層にも広がり、重症化しやすい。その猛威を全国で初めて経験したのが大阪だった。府によると、感染者数は第3波(2020年10月10日~21年2月28日)で3万6065人だったが、第4波(3月1日~)では5月21日までに約5万人に上る。死者は同20日に既に第3波(935人)を上回った。

 前回の緊急事態宣言が解かれた直後、異変は始まっていた。3月1~7日の1週間の新規感染者数は宣言継続中の東京都では1779人だったが、大阪府は548人に下がっていた。だが、中身が違った。同時期のスクリーニング調査によると大阪府の変異株の割合は28%。全て英国で初めて確認された「N501Y」変異株だ。一方、全国平均は7%で、東京都はわずか1%だった。

 二つ目は…

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