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和解のために 2021

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和解のために 2021

被害者中心主義から代弁者中心主義に 運動と研究は誠実だったか

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インタビューに答える朴裕河・世宗大教授=東京都新宿区で2020年3月6日午後3時11分、宮本明登撮影
インタビューに答える朴裕河・世宗大教授=東京都新宿区で2020年3月6日午後3時11分、宮本明登撮影

 「日本政府の謝罪と反省の意味が込められた救済措置だ」。日本政府への賠償請求を却下した4月のソウル中央地裁判決は、2015年の日韓両政府の合意に基づき、韓国で慰安婦救済の「和解・癒やし財団」が設立されたことを評価した。多くの元慰安婦が財団から支給された現金を受け取った経緯にも触れ、合意の有効性を再確認した。韓国・世宗大の朴裕河(パク・ユハ)教授は、判決を踏まえ日韓合意を正確に理解するよう求めながら、この30年間の運動と研究が被害者中心主義から遠く離れてしまったことを指摘する。

 4月のソウル中央地裁訴訟を担当した弁護士は、「慰安婦被害者が日韓合意を認めなかったために『和解・癒やし財団』が解散」したとした(ヤン・ソンウ、第2次訴訟判決第1回討論会「日本軍『慰安婦』被害者判決却下判決、どのように見るべきか」資料集)。また、(公式な条約ではなく)政治的合意にすぎない、被害者の意思が反映されていない、追加措置要求などの外交保護権を期待できないといった考えが原告側の理解であること…

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