特集

LGBT

性別にとらわれず自分らしく生きるために、声を上げる人たちが増えています。当事者の思いや社会の課題を追います。

特集一覧

研究者「国が恣意的利用」 経産省トイレ制限訴訟 27日控訴審判決

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
金沢大の岩本健良准教授(本人提供)
金沢大の岩本健良准教授(本人提供)

 戸籍上は男性で、女性として生きる性同一性障害の経済産業省の50代職員が、女性トイレの利用を不当に制限されたとして、国に処遇改善などを求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁で言い渡される。国側は控訴審で、金沢大などの研究を新たに証拠として提出し、トランスジェンダーの女性トイレ利用には周囲の抵抗があると主張。これに対し研究者は、理解が深まれば抵抗は減るとし、「研究を国に恣意(しい)的に利用された」と抗議している。

 職員は男性として入省後、性同一性障害と診断された。健康上の理由で性別適合手術を受けられず、戸籍上は男性で、女性として生活している。2010年に上司らから女性として勤務することを了承されたが、執務室から2階以上離れた女性トイレを使うよう求められ、15年11月に「他の女性と平等に扱われるべきだ」と提訴した。

 国側は「同僚女性が職員のトイレ利用に抵抗感を持っており、制限は合理的」などと反論。東京地裁は19年12月、「性自認に即した社会生活を送る法的利益の制約に当たる」とし、利用制限を取り消して国に132万円の賠償を命じた。

 国は控訴審で、金沢大と民間企業が19年5月に公表した共同研究を証拠として提出した。研究では、出生時の性とは異なる性自認を持つトランスジェンダーのトイレ利用に関し、トランスジェンダーではない女性の約35%が女性トイレを使われることに「抵抗がある」と回答した。国は控訴理由を説明する文書でこの数字を強調して引用した。

 ただ、…

この記事は有料記事です。

残り820文字(全文1451文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集