特集

都市対抗野球2021

社会人野球日本一を決める第92回都市対抗野球大会(11月28日~12月9日)に関する特集サイトです。

特集一覧

スポーツの今

TDK野球部 東北に唯一の黒獅子旗 4日から日本選手権最終予選

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
2006年の第77回都市対抗野球で初優勝を決め、マウンドで抱き合って喜ぶ、にかほ市・TDKの選手たち。東北で唯一の黒獅子旗獲得チームだ=東京ドームで2006年9月5日、森園道子写す
2006年の第77回都市対抗野球で初優勝を決め、マウンドで抱き合って喜ぶ、にかほ市・TDKの選手たち。東北で唯一の黒獅子旗獲得チームだ=東京ドームで2006年9月5日、森園道子写す

 今年で92回を数え、94年の歴史がある社会人野球の都市対抗大会。その中で本州の日本海に面した都市のチームが黒獅子旗を手にしたのは、たった1回しかない。2006年のTDK(秋田県にかほ市)だ。20年には7年ぶりに本大会出場を果たし、健在ぶりをアピールした。指揮官は就任4季目の佐藤康典監督(51)。TDK野球部に携わって約30年。「オール秋田、オール東北で黒獅子旗を奪還する」と目標を掲げ、チーム作りに励む。

TDKの期待の2年目右腕・鈴木大貴投手。福島県出身で、150キロ超の速球を武器にプロ入りを目指している=秋田県にかほ市のTDK秋田総合スポーツセンターで2021年4月19日午後3時32分、上鵜瀬浄撮影 拡大
TDKの期待の2年目右腕・鈴木大貴投手。福島県出身で、150キロ超の速球を武器にプロ入りを目指している=秋田県にかほ市のTDK秋田総合スポーツセンターで2021年4月19日午後3時32分、上鵜瀬浄撮影

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、20年の社会人野球は都市対抗が唯一の全国大会だった。TDKは秋田・角館高で甲子園に出場した4年目の小木田敦也投手と、福島東高、流通経済大出身の新人・鈴木大貴投手の両右腕が、2次東北予選で150キロ超の速球を連発し、第1代表での東京ドーム出場に貢献した。本大会は1回戦で、後に4強入りした日本新薬(京都市)に1―2で惜敗したが、秋田・能代松陽高出身の2年目左腕・佐藤開陸投手も加わり、大舞台のマウンドを20代前半の東北出身者で占めた。

 「選手の入れ替え時に、秋田や東北で野球の経験がある選手を意識して採用している。会社でも地域でも盛り上がり方が違う」。こう話す佐藤監督も秋田生まれ、秋田育ちだ。秋田経法大付高で甲子園に出場し、秋田相互銀行へ。1992年にTDKに移籍し、途中TDK千曲川(長野県佐久市)に移ったが、09年の統合後は、にかほでチーム作りに携わってきた。

ノックで選手を指導するTDKの佐藤康典監督(右)。奥村幸太捕手は青森・八戸学院光星高時代に甲子園で活躍した期待の新人だ=秋田県にかほ市のTDK秋田総合スポーツセンターで2021年4月19日午後5時8分、上鵜瀬浄撮影 拡大
ノックで選手を指導するTDKの佐藤康典監督(右)。奥村幸太捕手は青森・八戸学院光星高時代に甲子園で活躍した期待の新人だ=秋田県にかほ市のTDK秋田総合スポーツセンターで2021年4月19日午後5時8分、上鵜瀬浄撮影

 選手時代は秋田で都市対抗に3回出場。35歳まで現役を続ける中では、監督も務めた千曲川でも活躍した。千曲川には10年在籍し、2大大会の都市対抗には2回出場、日本選手権では5回の本大会出場に貢献した。

 しかし東北との土地柄の違いを感じた。佐藤監督は「佐久は新幹線が停車し、近くには都心から観光客が来る軽井沢がある。首都圏のニュースが流れ、人々の目は都心に向いている。それに3交代勤務の中、勝利を求めるのはタフだった」と振り返る。佐藤監督が赴いて7年目の05年にドーム初出場。その翌年には秋田が黒獅子旗を獲得。佐藤監督も「佐久から連日ドームに駆けつけた」と言う。そして08年には2社がドームにそろって出た。

守備練習で、真剣な表情で打球を追うTDKの野手陣=秋田県にかほ市のTDK秋田総合スポーツセンターで2021年4月19日午後3時56分、上鵜瀬浄撮影 拡大
守備練習で、真剣な表情で打球を追うTDKの野手陣=秋田県にかほ市のTDK秋田総合スポーツセンターで2021年4月19日午後3時56分、上鵜瀬浄撮影

 千曲川と秋田。両方の指揮官を務めた佐藤監督。東北については「思い入れが違う」と話す。「東北6県は一つの地域。強い絆で結ばれている感覚が強い。皆で一つになって勝利に向かう姿に、社や地元ファンから応援をいただいている」。にかほのグラウンドへのアクセスは車頼みだが、オープン戦でも付近の工場から熱心なファンが詰めかける。

 21年のTDK野球部は選手が29人。何らかの形で東北に縁のある選手は約7割の20人に上る。21年入社も6人中5人が東北の関係者だ。佐藤監督は「本拠地のにかほは雪が多く、冬は厳しい。その上で野球を極めたいという強い意志を持っていないと、ここで続けるのは難しい」と話す。

 4日から日本選手権の東北最終予選。JR秋田との県勢対決に臨む。皆川普主将は「一回、第1打席、初球など最初に全神経を集中できる良いチームに仕上がった」、鈴木投手は「プロ希望の自分にとって、全国で勝つことがチームにも自分にも大事になる」。意識を変革したそれぞれの思いを胸に、大一番に臨む。【上鵜瀬浄】

【都市対抗野球2021】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

ニュース特集