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バイデン・文会談 日米韓連携を固め直す時

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 北東アジアの安定を図るため、日米韓3カ国の連携につなげていくことが大切だ。

 バイデン米大統領と文在寅(ムンジェイン)韓国大統領がホワイトハウスで会談し、米韓同盟の強化で一致した。

 バイデン氏が対面で会談した外国首脳は、先月の菅義偉首相に続き2人目だ。米中対立の激化を背景に、アジアの主要同盟国との関係を強化する姿勢を示した。

 北朝鮮の核問題では、対話を通じた解決を目指す方針を確認した。バイデン氏は、南北間の対話と協力にも支持を表明した。

 南北関係の改善を最優先課題とする文氏にとって、米国の支持は追い風となる。ただし、来年5月までの残り任期を意識して成果を焦り、北朝鮮に付け入る隙(すき)を与えてはならない。

 バイデン氏は、北朝鮮が非核化へ向けた動きを見せない限り、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との会談には応じないと語った。金氏との会談を重ねながら空回りに終わったトランプ前大統領の失敗を繰り返さないためだ。

 注目されるのは、中国をけん制する米国の姿勢に文氏が同調したことだ。

 中国を名指しはしなかったが、共同声明は「台湾海峡の平和と安定の重要性」を明記した。南シナ海の「航行の自由」やルールに基づく国際秩序の重要性も盛り込み、日米にオーストラリアとインドを加えた協力枠組み「クアッド」の役割にも言及した。

 韓国の歴代政権は、中国の覇権主義的行動に対する態度表明を避ける傾向にあった。今回は一歩踏み込んだといえる。

 韓国企業が半導体や蓄電池分野で4兆円規模の対米投資をすることも発表された。中国に依存しないサプライチェーン(供給網)の構築を急ぐバイデン政権の戦略に沿ったものだ。

 日米、米韓という二つの同盟で結ばれた日米韓の連携は、北東アジアの安全保障を支える柱だ。3カ国の外交政策には温度差もあるが、中国や北朝鮮の問題では足並みをそろえることが不可欠だ。

 英国で来月開かれる主要7カ国(G7)首脳会議の場にはアジアの民主国家も招待されており、文氏も出席する。3カ国の連携をさらに強める機会にすべきである。

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