連載

ひと

話題のひと、ニュースのひと、そのホットな人物をエピソードと経歴を交えて紹介します。

連載一覧

ひと

村上穣さん=腎移植を受け、啓発に取り組む腎臓内科医

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

村上穣(むらかみ・みのる)さん(41)

 腎臓内科医として移植医療の啓発を研究する。「腎移植を待つ人工透析の患者さんのため、診療や研究を尽くすのが使命」。言葉に説得力があるのは、自身も生体腎移植を受けた慢性腎臓病の患者だからだ。

 7歳の時、ぼうこうから腎臓に尿が逆流する先天的な腎臓病と診断された。小学校では食事と運動を制限され、「なぜ僕だけ違うのか」と心が沈んだ。通院を重ねるうち「患者に寄り添う医師に」との思いが生まれ、大学は医学部へ。自身の病を深く知り、「長く生きられないのでは」と落ち込んだが、「これが自分の人生」と受け入れた。

 医師の道を歩んでいた31歳の時、母から腎移植を受けた。人工透析の導入は回避できたが、心の葛藤は残った。「母の体を傷つけ、自分が元気になって良かったのか」。移植を待つ患者にも後ろめたさを感じた。

この記事は有料記事です。

残り358文字(全文722文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月