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村上穣(むらかみ・みのる)さん(41)
腎臓内科医として移植医療の啓発を研究する。「腎移植を待つ人工透析の患者さんのため、診療や研究を尽くすのが使命」。言葉に説得力があるのは、自身も生体腎移植を受けた慢性腎臓病の患者だからだ。
7歳の時、ぼうこうから腎臓に尿が逆流する先天的な腎臓病と診断された。小学校では食事と運動を制限され、「なぜ僕だけ違うのか」と心が沈んだ。通院を重ねるうち「患者に寄り添う医師に」との思いが生まれ、大学は医学部へ。自身の病を深く知り、「長く生きられないのでは」と落ち込んだが、「これが自分の人生」と受け入れた。
医師の道を歩んでいた31歳の時、母から腎移植を受けた。人工透析の導入は回避できたが、心の葛藤は残った。「母の体を傷つけ、自分が元気になって良かったのか」。移植を待つ患者にも後ろめたさを感じた。
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