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コロナワクチン周回遅れ、なぜ? 鈴木康裕氏、国内治験求めたため/足立信也氏、シミュレーションが不足

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国際医療福祉大副学長の鈴木康裕氏(左)と医師・参院議員の足立信也氏
国際医療福祉大副学長の鈴木康裕氏(左)と医師・参院議員の足立信也氏

 新型コロナウイルスのワクチン接種は、優先された医療従事者に続き、4月からようやく65歳以上で始まった。しかし、国内の接種は諸外国から大きく遅れており、「周回遅れ」などと皮肉を込めて言われることもある。自分はいつ接種ができるのかと、やきもきしている人も多いのでは? そもそもなぜ、こんなに遅れたのだろうか。

「国内治験求めたため」「シミュレーションが不足」

 「決定的なコロナの治療薬がない中、ワクチン接種は極めて重要です」。そう語るのは、厚生労働省の前医務技監で、国際医療福祉大副学長の鈴木康裕さん(61)だ。

 コロナの感染拡大を抑え込む切り札として期待されるワクチン接種。欧米では接種が進み、飲食店の営業が再開されるなど日常生活を取り戻しつつある。うらやむような状況だ。

 英オックスフォード大が各国の接種状況を比較したデータがある。5月25日現在、人口100人あたりの比較では、日本の接種回数はわずか6・94回。英国(89・25回)、米国(85・43回)など欧米各国を大きく下回り、日本より接種の開始が遅れた韓国(10・8回)にも及ばない。

 なぜ、これほど遅れたのか。その理由について鈴木さんは、海外製ワクチンについて国内でも臨床試験(治験)を求めたこと▽国産ワクチンを早期に作れなかったこと--を挙げた。

 最初に承認されたファイザーは2020年12月、海外で約4万人に行った治験の結果を基に、通常よりも手続きを簡略化できる特例承認を求めて申請した。今年1月29日に日本人約160人の治験データを追加提出し、厚労省が2月14日に承認した。

 国が日本人の治験も求めた背景について、鈴木さんは「国民のワクチンに対する受容度の低さ」を挙げている。ワクチンに対する警戒心が強いというのだ。思い出されるのが、子宮頸(けい)がんなどの予防に使われたHPVワクチンだ。1…

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