展覧会 膠を旅する 表現をつなぐ文化の源流 見えてくる「動物の命」=評・平林由梨

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
展示室の様子。手前に並ぶのがにかわ。天井からは鹿皮がつられている=武蔵野美術大学美術館・図書館で2021年5月24日、平林由梨撮影
展示室の様子。手前に並ぶのがにかわ。天井からは鹿皮がつられている=武蔵野美術大学美術館・図書館で2021年5月24日、平林由梨撮影

 にかわは、顔料を和紙や布といった支持体に接着させる日本画には欠かせない素材だ。動物の骨や皮から取り出す動物性たんぱく質が原料で、革製品や食肉を生む工程で出る残りかすから作られてきた。武蔵野美術大美術館(東京都小平市)が、このにかわに光を当てた企画展を開いている。6月20日まで。

 同大の内田あぐり名誉教授を中心に実施した「日本画の伝統素材『膠(にかわ)』に関する調査研究」の成果発表展。2017年から今年にかけて全国6カ所で取材を行った。写真や文章、動物の皮や骨、道具類を紹介している。

 展示台には琥珀(こはく)色に輝くにかわが並ぶ。脂の割合や精製の純度によって色合いや透明度、質感が異なる。日本画で使うにかわは牛のものが主だがチョウザメ、鹿、ウサギを原料とする変わったものも。細長く成形されたにかわはペンチなどで細かく刻み、湯煎しながら水で溶き、顔料と混ぜて使用する。

この記事は有料記事です。

残り268文字(全文654文字)

あわせて読みたい

注目の特集