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コロナ死者最多の大阪 医療崩壊の重すぎる教訓

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 新型コロナウイルスの感染拡大で大阪の医療体制が崩壊の危機に陥っている。府は緊急事態宣言の再延長を政府に要請することを決めた。

 死者は全国最多で2200人に迫る。3月1日以降の第4波だけで半数近い1000人超が亡くなる異常事態だ。

 強い感染力を持ち、重症化しやすいとされる変異株が全国で最初に広がったことが大きい。

 大阪府では前回の緊急事態宣言が予定より前倒しして3月1日に解除された。

 府はすぐに対応できる重症病床の数を215床から150床に縮小した。

 ところが、急増した重症者数が重症病床の数を超え、対応できず、軽症中等症病床に回される患者も出た。その結果、ドミノ倒しのように、軽い症状の患者らの治療も難しくなった。

 在宅療養や宿泊療養の患者らの容体が急変し、病院で治療を受けられず死亡するケースも起きた。

 療養・待機している間に亡くなった人は19人に上る。昨年10月から今年2月の第3波では1人にとどまっていた。

 第4波の当初から、変異株の感染力が強いという情報は国内外で流れていた。行政の対応が後手に回り、被害を大きくした可能性がある。

 今後、感染力がさらに強い変異株が登場し、新たな流行を招く場合も考えられる。リスクを想定しつつ、先手を打って対応しなければならない。危機意識を持つことが重要だ。

 在宅で療養中に亡くなるケースを防ぐためには、患者の病状を正確に把握し、治療につなげる仕組み作りも急務だ。

 人命に関わるような緊急時には保健所と地元の開業医が連携し、速やかに対処していく体制も作らなければならない。

 医療体制がいったん逼迫(ひっぱく)すれば、自治体だけで対応するには限界がある。

 国が主導し、都道府県の枠を超えて患者を受け入れるルール作りを検討すべきだ。

 国は大阪で起きた医療崩壊の原因と経緯を検証し、全国の自治体が教訓として共有できるようにしなければならない。

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