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ミャンマークーデター

ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー氏らを拘束。市民や国際社会からは抗議と批判が相次いでいます。

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解任されたミャンマー人外交官2人 国内在留容認へ 人道上配慮

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茂木敏充外相 拡大
茂木敏充外相

 政府は、クーデターを起こしたミャンマー国軍に異を唱え、解任された在日ミャンマー大使館の外交官2人の国内滞在を当面認める方針を固めた。政府関係者が26日、明らかにした。2人は解任を機に日本国内での在留資格を失う可能性があったが、帰国を強いれば2人の身に危険が及びかねず、人道上の配慮が必要だと判断した。だが、ミャンマー国軍が態度を硬化させかねないため、公式には方針を曖昧にし続ける方向だ。

 解任されたのは、1等書記官のアウンソーモー氏と2等書記官。日本政府関係者によると、2人は3月、軍政への抵抗から職務を拒む「市民不服従運動」への参加をネット交流サービス(SNS)で表明。ミャンマー当局は同月中に2人を解任し、旅券(パスポート)を無効化したと日本の外務省に伝達した。2人は日本国内の知人らの所へ身を寄せている。

 2人は日本政府から「外交活動を行う期間」に限って在留資格が付与されており、解任で不法在留ともみなされる不安定な立場となった。日本の外務省に、仮に帰国を強いられれば「(国軍との関係から)危険にさらされかねない」と引き続き外交官としての身分を認めるよう要請した。これを受け、茂木敏充外相が5月21日の記者会見で「2人が特段不適切な活動を行ったとは考えておらず、日本での在留資格は取り消されていない」と発言。外務省幹部は「『現状は取り消されていない』という客観事実を語ったもので、将来にわたって取り消さないと表明したわけではない」と断りつつ、「国軍を刺激しないよう、しばらく宙に浮かせておく」と語った。

 欧米各国が経済制裁などで国軍に圧力をかける中、日本は政府開発援助(ODA)などで培ってきたパイプを重視し、2月のクーデター後も継続案件や人道上の支援に限ってODAを継続してきた。この結果、現在も国軍と一定の関係を維持しており、2月に日本人フリージャーナリスト、北角裕樹さんが当局に拘束された際は交渉により即日解放を実現した。

 もっとも4月18日、ミャンマー当局が北角さんを再び拘束すると、当局は日本政府の期待に反し、起訴へと持ち込んだ。北角さんは5月14日に解放され帰国したが、外務省幹部は「長引く情勢不安にミャンマー当局は神経質になっている」と語り、別の幹部は「日本人1人を解放するのにも相当に苦労した。アウンサンスーチーさんらの解放への道は遠い」と言及した。

 茂木氏は25日の参院外交防衛委員会で「このままの事態が続けばODAを見直さざるを得ない」と述べ、今後は情勢打開のため、圧力路線にかじを切る可能性もあるとの見解を示した。【飼手勇介、宮島寛】

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