黒人への「潜在的偏見」自覚させる訓練とは 米警察、暴力は減るか

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ジョージ・フロイドさんの死から1年を前にして行進する人たち=米中西部ミネソタ州ミネアポリスで2021年5月23日、AP
ジョージ・フロイドさんの死から1年を前にして行進する人たち=米中西部ミネソタ州ミネアポリスで2021年5月23日、AP

 米中西部ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさん(当時46歳)が白人警官に首を押さえつけられて死亡した事件から25日で1年がたった。事件を機に黒人差別と警察の暴力に抗議する「ブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命は大事だ)」運動が全米に広がり、警察改革の機運が高まったが、暴力は軽減されたのか。【ロサンゼルス福永方人】

 米メディアによると、同事件以降、全米50州のうち少なくとも16州が警官の首絞め行為を州法で禁止または規制した。だが、警官による暴力で黒人が命を落とすケースは今も後を絶たない。今年4月には同事件の裁判が開かれていたミネアポリスの近郊で、白人の女性警官が逮捕しようとした黒人男性を射殺し、衝撃が走った。

警官による暴力死 黒人は白人の2.7倍

 警察の暴力をまとめる民間データベース「マッピング・ポリス・バイオレンス」によると、2020年に警官が死なせた市民は全米で1127人。うち黒人は248人と22%を占める。前年より33人減ったが、人口比の13%を上回っている。一方、白人は36%の411人で、人口比の60%を大きく下回る。人口100万人当たりで計算すると、黒人の死者数は白人の2・7倍に上る。21年も5月21日時点で89人の黒人が犠牲になっている。

 背景には、黒人(特に男性)は暴力的という偏見と恐怖心があるとされる。黒人射殺事案などで公開される警官のボディーカメラ映像にはしばしば、警官が不自然なほどに激高する様子が映っている。警官の過剰反応をどう防ぐか。現場は模索を続ける。

 「交通事故現場で、なぜBMWに乗っているスーツ姿の男性は、汚れたジーンズをはいたダンプカーの男性よりも信用されやすいのか」

 ニューヨーク市警は…

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