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国が2009年に淀川水系・大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)の建設計画を凍結して12年。各地で豪雨災害が相次ぐ中、凍結を求めていた滋賀、大阪などの流域自治体が建設を容認する姿勢に転じた。「環境を破壊する行為で、税金のムダ遣いだ」と脱ダム路線を敷いた嘉田由紀子・前滋賀県知事らの反対も残る中、国は4月、建設を明記した計画変更案の最終案を公表、着工に向けて再び動き出した。その背景には何があったのか。
「良い方向に向かっている。このままダムを造ってもらいたい」。水没予定地の大鳥居地区から集団移転した住民で作る大鳥居地域開発協議会の谷一広会長(67)は話す。国土交通省近畿地方整備局(近畿地整)によると、大鳥居地区を中心に55戸約200人が1998年までに移転を完了した。谷会長は「ダムがあれば人の命が助かり、財産が守れると言うので移転した。災害が起きてからでは何のために移転したのか分からない。計画が二転三転するのは最後にしてほしい」と訴える。
大戸川ダムは68年、治水、利水、発電の多目的ダムとして近畿地整が建設を計画したが、2003年に近畿地整の諮問機関・淀川水系流域委員会が環境重視…
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