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狩猟・採集の定住社会、高い精神文化…縄文遺跡群の世界史的価値

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小牧野遺跡の環状列石=青森市野沢で2021年5月24日午後2時6分、山衛守剛撮影
小牧野遺跡の環状列石=青森市野沢で2021年5月24日午後2時6分、山衛守剛撮影

 国内で20件目となる世界文化遺産への登録が確実となった「北海道・北東北の縄文遺跡群」。世界に認められた縄文文化の価値とは。学芸部の担当記者が解説します。

   ◇  ◇

 縄文時代は日本だけの時代区分だ。世界史の区分では新石器時代に相当する。アジア大陸やヨーロッパではこの時代に農耕や牧畜が始まり、古代文明につながった。縄文時代も同じ定住社会とはいえ、違いが際立っている。一部に栽培はあったものの、狩猟と漁労と採集が食料獲得の手段だった。

 こうした時代が1万年以上も続いたのは、世界史上でもまれだ。しかもこの間、土器や漆製品といった工芸や三内丸山遺跡(青森市)に代表される建造物などの生活技術を発展させ、さらには、環状列石や土偶が象徴する高度な精神文化も併せ持った。

 2009~10年、ロンドンの大英博物館、東京国立博物館と巡回した「国宝 土偶展」は過去にない規模で土偶の逸品を集め、ともに大盛況だった。土偶の造形美、そこに込められた縄文人の真摯(しんし)な祈りや精神の気高さが、…

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