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入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

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変わらぬ「入管問題」 当局のさじ加減で増える収容者

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「入管法改悪阻止」を訴える市民ら=東京都千代田区で4月21日、井田純撮影
「入管法改悪阻止」を訴える市民ら=東京都千代田区で4月21日、井田純撮影

 人権上の数々の疑問が指摘されていた入管法改正案は政府・与党側が今国会での成立を断念し、廃案の見通しである。法案提出直後に名古屋出入国在留管理局で収容中のスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が死亡、世論が大きく動いた。とはいえ、出入国在留管理庁が抱える問題は、今も変わらずに存在している。

 「最悪の事態を免れてほっとしました。皆で行動すれば政治に反映されるんだ、と感じました」。ウィラコーン・ワタルさん(20)の声が弾む。3月6日に名古屋入管で亡くなったウィシュマさんと同じスリランカ国籍。神奈川県在住の大学生で、4月下旬、同じ大学に通う日本人の友人らと国会議員会館前での抗議の座り込みに参加した。

 ウィシュマさんは日本で英語を教える仕事に就こうと2017年に来日したが、日本語学校の学費が払えなくなって在留資格を失った。20年8月に名古屋入管に収容された後、体調が急速に悪化。支援者の話や入管がまとめた中間報告によると、嘔吐(おうと)を繰り返すようになり、歩行が困難になるほど衰弱が進み、点滴や外部の病院での治療を訴えるようになったが、1月に出した仮放免申請も却下されていた。入管は1月下旬に「容態観察」のために監視カメラのある部屋に移していたが、来日した遺族らの求めにもかかわらず記録映像の開示を拒否し続けている。

 冒頭のウィラコーンさんは、ウィシュマさんの死をニュースで聞いた時、入管収容中の外国人の死を「よくあること」と感じている自分に気づいた。「入管が外国人にひどい扱いをしていることは以前から聞いていて、自分でさえそれに慣れてしまっていた」。ウィラコーンさんは日本生まれで、永住資格を持っている。将来の夢は、ウィシュマさんと同じ英語教師だ。

法案採決見送りでは「終わらない」

 だが、いつ自分の周囲の人たちが同じような目に遭うかわからない。そう考えると、…

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