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愛知リコール不正

愛知県知事の解職請求(リコール)を目指した運動。署名偽造に関与した疑いで、活動団体事務局長らが逮捕されました。

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善意巻き込み、民意ねつ造 詭弁だらけ 人々が見た署名偽造

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滞在先を転々とし、三重県鈴鹿市のホテル前で記者に囲まれる田中孝博容疑者。この2日後、静岡県伊豆市のホテルで逮捕される=三重県鈴鹿市で2021年5月17日午前7時44分、高井瞳撮影
滞在先を転々とし、三重県鈴鹿市のホテル前で記者に囲まれる田中孝博容疑者。この2日後、静岡県伊豆市のホテルで逮捕される=三重県鈴鹿市で2021年5月17日午前7時44分、高井瞳撮影

 署名集めの締め切りが迫った2020年10月中旬。「愛知100万人リコールの会」事務局長の田中孝博容疑者(59)=地方自治法違反容疑で逮捕=は、署名用紙の右上に記された「代筆をした場合」との文字を指さし、リコール運動の関係者にこう語りかけた。

 「ここにも代筆行為って書いてあるでしょ。代筆は問題ない」

 署名用紙には「地方自治法第74条第8項及び9項に該当する場合のみ代筆を行うことができます」と記載されていた。同法は身体に障害がある場合など自力で署名を書けない人に限り、氏名の代筆を認めている。

 田中容疑者は「代筆」の文字だけを都合よく切り取り、「用紙にも『代筆』の文字がある。だから代筆しても大丈夫だ」との詭弁(きべん)で周囲を説得し、広告関連会社に代筆を依頼した。そして同年10月下旬、佐賀市で集められたアルバイトが約10日間にわたり、約70万人分の署名偽造を行ったとされる。

 田中容疑者はこの時期、「佐賀でのことは、高須(克弥・リコールの会会長)さんも知っている」と真偽不明の発言をしている。この言葉を聞いた関係者は「法律について深く調べず、田中さんの言葉を信じて大丈夫だと思ってしまった」と悔しさをにじませた。

目を疑ったボランティアたち

 同じころ、名古屋市東区にあったリコールの会事務局では…

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【愛知リコール不正】

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