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広島二〇二一/33 自宅に招き被爆証言 田中稔子さん(82)=東区 /広島

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田中稔子さん=広島市東区で、池田一生撮影
田中稔子さん=広島市東区で、池田一生撮影

田中稔子(たなか・としこ)さん

 自宅を改築して開いた「Peace交流スペース」で、平和学習や観光で広島を訪れた人たちを受け入れ、被爆体験を伝えている。2016年4月にオープンし、国内外からの来訪者は5000人を超えた。新型コロナウイルスの感染拡大以降は、オンラインでの証言にも力を入れている。

 原爆投下時は6歳。爆心地から2・3キロの自宅近くで、友人を待っている時に爆風に吹き飛ばされ、右腕にやけどを負った。1週間前に爆心地から約500メートルにあった家から引っ越したばかりだった。通っていた中島国民学校(現・中島小)の級友は全員行方が分からなくなった。「悲しいことを話したくはなかった」。ずっと語らずにいた。

 転機は08年、世界を巡る「ピースボート」に乗船し、ベネズエラで現地の市長から「被爆証言があなたの責務」と背中を押された。それ以降、国内で証言を続け、米国やイタリアなど世界各国も訪れた。しかし、年齢を重ねるに連れて出向くのが難しくなった。「逆に来てもらおう」と交流スペースを設けた。

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