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愛知リコール不正

愛知県知事の解職請求(リコール)を目指した運動。署名偽造に関与した疑いで、活動団体事務局長らが逮捕されました。

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リコール「成立しなければ紙切れ」署名偽造、制度の死角狙ったか

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各地の選管を回り、偽造が疑われる署名を自ら集計した請求代表者の男性。「大量の偽造署名の中、本物の署名を見つけると悔しくて涙が出た」と話す=愛知県内で2021年5月25日午後4時10分、高井瞳撮影
各地の選管を回り、偽造が疑われる署名を自ら集計した請求代表者の男性。「大量の偽造署名の中、本物の署名を見つけると悔しくて涙が出た」と話す=愛知県内で2021年5月25日午後4時10分、高井瞳撮影

 「愛知100万人リコールの会」による署名集めは、選挙があり署名活動が一時中断を余儀なくされた愛知県岡崎市など5自治体を除き、2020年10月25日に締め切りを迎えた。ちょうどその前後の時期に、佐賀市ではアルバイトによる署名の代筆作業が続けられていたとされる。

 同11月3日、名古屋市のホテルに集められた署名簿の中から、同一筆跡とみられる署名が大量に見つかる。その後、リコール運動関係者の間では、署名が偽造されているのではないかとの疑念が広がっていった。

 会の事務局幹部だった元同県常滑市議(52)は署名偽造疑惑の発覚後、周囲に対し、事務局長の田中孝博容疑者(59)=地方自治法違反容疑で逮捕=の指示を受け、自らも偽造に関与していたことを認め、こう漏らしていた。「田中さんからは『(リコールが)成立しなければただの紙切れ。選管は数えるだけで審査しない』と説得された」

 リコール運動で集められた署名は制度上、住民投票に必要な法定数に届かなければ、選挙管理委員会が自筆であるかどうかなどを審査する必要はない。11月4日に県内の各選管に提出された署名はリコール成立に必要な法定数約86万6000筆に対し、約43万5000筆と半数にとどまった。選管は調べることはないはず――。田中容疑者はそう見込んでいたとみられる。

有志「不正暴きたかった」

 署名提出から3日後、リコールの会会長の高須克弥氏は記者会見し、「活動は盛り上がっている。でも、体がもたない」と述べ、自らの体調不良を理由にリコール運動中止を宣言した。

 「このまま活動を終わらせたら、…

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