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コロナ禍と家族/下 困窮、虐待 孤立する若年層=若者支援NPO理事長・今井紀明

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困窮する若者に送る食料セットを準備する「D×P」のスタッフら。未来へとつなげるため「ユキサキ便」と名付けられている=認定NPO法人「D×P」提供
困窮する若者に送る食料セットを準備する「D×P」のスタッフら。未来へとつなげるため「ユキサキ便」と名付けられている=認定NPO法人「D×P」提供

 「ご飯を食べるのを我慢している」「所持金があと5000円しかない」――。

 新型コロナウイルスの感染拡大で3度目の緊急事態宣言が出されてから約1カ月。1週間だけで80人以上から現金給付や食料支援の問い合わせが「ユキサキチャット」にくる。私が理事長を務める認定NPO法人「D×P」(ディーピー、事務局・大阪市)が運営している無料通信アプリの「LINE(ライン)」相談サービスだ。もともとは不登校や、高校や大学を中退した10代向けの進学・就職の相談を受けていたが、コロナ禍で経済的困窮を訴える声が届くようになった。2020年6月から、全国の25歳までを対象に現金給付や食料の支援を始めた。

 コロナ前は約700人だったチャットの登録者は今は4500人ほどに増えた。目立つのは、もともと親に頼れず、1人暮らしをしながら生活費を自身でまかない、学費を払ってきた子どもの困窮だ。飲食業などのアルバイト先が休業になり、仕事がなくなってしまう。貯金がほとんどなく、家賃を払えなくなった子もいる。生活が成り立たなくなった子たちに、食料だけではなく生理用品などを送ることもある。

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