敵は内部にあり?習指導部は不動産税でバブルを止められるのか

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「反腐敗運動」を推進し続ける習近平・中国国家主席=香港空港で2017年4月7日、福岡静哉撮影
「反腐敗運動」を推進し続ける習近平・中国国家主席=香港空港で2017年4月7日、福岡静哉撮影

 中国で「不動産税」の導入論議が注目を集めている。都市部での不動産価格が高騰する中、ブレーキをかける手段として財政当局が提唱し、2021年からの5カ年計画で立法化を推進する方針が盛り込まれた。だが、早くも実現を危ぶむ声が漏れ伝わってくる。取材を進めると、中国ならではの事情が見えてきた。【小倉祥徳/中国総局】

不動産価格抑制の「切り札」に

 「不動産税の立法と改革を積極的かつ確実に推進する。収入の分配を調整し、マクロ経済を安定させる」。中国財政省の王建凡・税政局長は今年4月の記者会見で、不動産税導入への意欲と意義をこう強調した。

 財政省は、5月11日には全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会などと合同で懇談会を開き、一部の省・市の担当者や専門家と不動産税について意見交換も行った。懇談会に出席した広東省の民間シンクタンク幹部は中国メディアの取材に対し、「(新税は)『段階的推進』の原則で進めるようだ。まず1級都市(北京、上海、広州、深圳)や2級都市(成都など省都クラス)で実施し、その後全国に広がるのかもしれない」と語った。

 中国では1949年の建国以来、「土地は公有」とされているが、「使用権」の売買という名目で、98年から都市部の住宅を個人が売買できるようになった。ただし、「私有ではない」という建前からか、日本の固定資産…

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