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身近な人が次々と亡くなった インドで記者が見た感染爆発の実態

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新型コロナウイルスの検査を受ける女性=インド東北部グワーハーティーで2021年5月21日、AP
新型コロナウイルスの検査を受ける女性=インド東北部グワーハーティーで2021年5月21日、AP

 新型コロナウイルスの感染者が世界で2番目に多いインドでは、多くの日本人が一時帰国を余儀なくされている。帰国後の隔離生活や3月以降の爆発的な感染拡大について、5月10日に帰国したニューデリー支局の松井聡記者に聞いた。

 Q 現在、インドから日本に戻る際には、どのような制限がかけられていますか。

 A 感染力が強い可能性がある「インド株」と呼ばれる変異ウイルスの流入を水際で阻止するため、通常よりも厳しい措置が取られています。到着した日本の空港で新型コロナの検査で陰性の結果が出ると、まず検疫所が確保する宿泊施設で10日間隔離され、その期間中に新型コロナの検査を3回受けます。いずれも陰性であれば、自宅やホテルなど自分で選んだ別の場所に公共交通機関を使わずに移動し、さらに4日間隔離されます。

 インドだけではなく、周辺のネパール、パキスタン、バングラデシュ、モルディブ、スリランカの計6カ国からの帰国・入国者が対象です。

外気に触れられなかった6日間

 Q 随分と厳しい措置ですね。

 検疫所が確保する施設での隔離期間は当初は3日間でしたが、「水際対策をより強化すべきだ」との意見があり、6日間に延長され、現在の10日間に延長された経緯があります。

 私は5月10日にインドの首都ニューデリーから帰国しましたが、その時は検疫所が確保した横浜市内のホテルの11平方メートルほどの部屋で6日間隔離になりました。部屋から出ることは禁じられ、3食は弁当が部屋のドアノブに下げられていました。部屋の窓が開かず外気に触れられないのはつらかったですが、変異ウイルスを日本に持ち込まないための措置なので頑張るしかないと言い聞かせていました。

 ただ検疫所が確保する施設での隔離期間が長引くほど、帰国者の心身への負担も大きくなると思います。また子供連れで滞在した人が部屋の中で動けるスペースがほとんどなく、非常に厳しかったという話も聞きました。現在は政府が隔離費用を全額負担していますが、例えば自費であったとしても一定額を上乗せして負担すれば、もう少し広い部屋に移れるなど選択の余地があれば、助かる人も少なくないのではないかと感じました。

8割の日本人が帰国か

 Q 今はどれくらいの日本人が現地に残っていますか。

  A インド日本商工会によると、今年3月ごろの時点でインド全土に約5000人の日本人がいた模様です。その後の爆発的な感染拡大と医療体制が危機的な状況になったことから、5月末までには8割ほどの日本人が帰国する見通しです。私の周囲でも多くの日系企業の駐在員はすでに帰国したか、帰国を検討していました。

 Q 現地の医療体制がかなり悪化しているのですね。

 A 4月下旬から5月中旬が最も深刻だったと思います。私の身近でも、インド人、日本人を問わず感染者が相次ぎ、多くの人が病床を確保するのに苦労していました。この時期に感染したニューデリーに住む50歳のインド人の男性の家族は、…

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