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ミャンマークーデター

ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー氏らを拘束。市民や国際社会からは抗議と批判が相次いでいます。

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「日本の慈愛は希望の光です」 ミャンマー支援で5500万円集まる

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ミャンマー人男性から届いた感謝のメッセージカード=今村教授提供 拡大
ミャンマー人男性から届いた感謝のメッセージカード=今村教授提供

 国軍によるクーデターに抗議するミャンマーの人々を支援しようと、山形大人文社会科学部の今村真央(まさお)教授(ミャンマー国境地域史)らが始めたクラウドファンディング(CF)に、1カ月間で目標の10倍を超える5500万円が集まった。CF運営会社によると、国際協力関連では国内最高支援額とみられるという。支援を知ったミャンマー人から「日本の友人が見せてくれた慈愛と慈悲は一筋の希望の光です」との感謝のメッセージが届くなど、反響を呼んでいる。【山下俊輔】

 ミャンマーでは2月1日のクーデター後、国軍が抗議デモに参加する市民らへの弾圧を続けている。今村教授は同月下旬以降、ミャンマーの知人から「医療物資を送ってほしい」と依頼されたり、研究者仲間らとの間で「ミャンマーのために何かできないか」という話が持ち上がったりしていたことから、上智大の根本敬教授(ビルマ近現代史)らとともに発起人になり、CFをつくった。

 4月5日にスタートしたCFは、約25時間で目標額の500万円を突破し、5月5日までの期間中に5102人から計5512万2000円が寄せられた。CFを運営する「READYFOR」(東京都)によると、今回支援した人の年代別内訳は25~34歳が25・5%と最も多く、35~44歳=20・7%▽45~54歳=15・9%▽65歳以上=14・2%――などと続いた。

今村真央教授=山形市で2021年5月7日午後3時39分、山下俊輔撮影 拡大
今村真央教授=山形市で2021年5月7日午後3時39分、山下俊輔撮影

 同社の調べでは、他社が運営しているものも含め、国際協力関連のCFでは国内最高額とみられるといい、同社の担当者は「ミャンマー情勢を知り、何かできないかともどかしさを感じた人たちが支援したのではないか」と見ている。今村教授も「『ミャンマー国軍の蛮行を何とか止めてほしい』と願う人が日本にたくさんいると感じた」と話す。集まった資金の一部は既にタイの仏教団体を通じてミャンマーに送られ、職場放棄して国軍への抗議の意思を示す「不服従運動」に参加する人たちへの支援や、弾圧でけがをした市民の医療費などに充てられている。

 CFのサイトでは、寄付者がメッセージを投稿できる。「ミャンマーに民主主義が戻るまで支援します」「ミャンマーの方々が自由で安全な人生を送れる世界に一日でも早くなりますように。心から祈っています。どうか希望を捨てないで。私たちも、一緒に戦います」など、ミャンマーの情勢に関心をもつ人たちから多くの声が寄せられた。

 今村教授らは届いたメッセージをビルマ語に翻訳し、ミャンマー人の知人らに送信した。すると、あるミャンマー人の男性から、抵抗を意味する3本指の手描きの絵が添えられたメッセージカードが送られてきた。そこにはこう書かれていた。「日本は悲劇的な損失や災害に何度も直面してきました。そのせいでしょうか、日本の皆さんが他人の苦痛に対して非常に繊細なのは。いかにして逆境から勇気を持って立ち上がることができるかを、私たちは日本の皆さんから学んできました」「いま我々は民主主義と自由を得るために命がけで闘っています。どうか支援を続けてください」――。

 今村教授らは、寄付金の使途について明らかにするオンライン報告会のほか、ミャンマー情勢や寄付した人のメッセージなどを掲載する「ジャストミャンマー21」と題したウェブサイトの開設を予定。将来は、母国を逃れて来日するミャンマーの若者のための奨学金を募ることも検討しているという。

【ミャンマークーデター】

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