「細胞老化」妨げてがん増殖 新たな仕組み解明 京大チーム

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京都大学キャンパス=京都市左京区で2017年3月10日、大学情報室撮影 拡大
京都大学キャンパス=京都市左京区で2017年3月10日、大学情報室撮影

 がん細胞の増殖に歯止めをかけている「細胞老化」を妨げ、がんが生じる仕組みをショウジョウバエの実験で解明したと、京都大の研究チームが1日、米科学誌に発表した。短いRNA(リボ核酸)が細胞老化を引き起こすのに必要な遺伝子を破壊していた。ヒトでも同様の仕組みがあるといい、「がん新治療法の開発につながる成果」としている。

 ヒトのがんの約3割で活性化しているがん遺伝子「Ras」はがんの増殖と同時に、細胞老化を引き起こすことが知られ、この遺伝子の働きだけではがんが生じないようになっている。発がんの際には細胞老化が阻害されるが、その仕組みは分かっていなかった。

 京大生命科学研究科の井垣達吏(たつし)教授(システム機能学)らのチームはモデル生物のハエの実験で、細胞老化を引き起こすために必要な別の遺伝子を発見。特定のマイクロRNAが、この遺伝子を破壊することで細胞老化が起こらなくなり、がん化が促進されることを明らかにした。

 研究チームは「ヒトのがんでも同様のメカニズムが機能している。マイクロRNAを働かなくして細胞老化を引き起こすことで、新たながん治療法の開発につながる」と期待している。【千葉紀和】

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