「最低賃金引き上げを首相に直談判」 生協労連、ネット署名に反響

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
最低賃金全国一律1000円などを菅首相に直談判しようと署名を集め始めた生協労連の柳恵美子委員長=Zoomでの記者会見から、2021年6月1日午後2時10分、東海林智撮影 拡大
最低賃金全国一律1000円などを菅首相に直談判しようと署名を集め始めた生協労連の柳恵美子委員長=Zoomでの記者会見から、2021年6月1日午後2時10分、東海林智撮影

 「最低賃金(最賃)を引き上げて、と菅義偉首相に直談判したい」。生協で働くパートなど非正規労働者を多く組織する生協労連(柳恵美子委員長)が、そんなネット署名活動を始め反響を呼んでいる。多くの組合員が緊急事態宣言の間も接客や配達などの仕事をしながら市民の生活を支えてきたが、この春の春闘でも賃金は上がらず、厳しい暮らしが続いており、間もなく始まる最賃を巡る議論に一石を投じるのが狙い。5月31日夜から始め、7日まで集める。

 生協労連は、組合員約6万5000人で、約65%が非正規。男女別は女性が65%を占める。

 毎年、春闘で賃上げを求めているが、非正規の賃金は毎年改定される最賃に張り付いている例も多く、賃金は最賃の動向に大きく左右される。新型コロナウイルス禍前は毎年、「目に見える運動を」と全国から組合員を集めて、集会やデモなどで最賃の引き上げを訴えてきたが、コロナ禍で行えなくなったため、直談判署名を計画した。

 柳委員長は「これだけ大変な思いをしているのに、何もせずに黙っているわけにはいかない」と話す。

 署名は、最賃を全国一律1000円にできるだけ早く引き上げることや1500円への道筋を示すことを求めており、菅首相に伝えたいことも募っている。

 組合員からは「いつ感染するかとの恐怖はつきまとう」(レジ)、「夏場は、マスクをしたまま2階、3階と商品を持って駆け上がるのは地獄」(配送)など切実な声が寄せられている。コロナ禍でもダブルワーク、トリプルワークを続けるシングルマザーや、子どもに進学を諦めてもらう事例があるという。

 最賃を巡っては、昨年は経営側がコロナの影響を理由に金額の据え置きを主張、0~3円の改定となった。菅首相は最賃について、全国平均1000円への引き上げを目指すと述べている。

 柳委員長は「コロナ禍で働く者の暮らしは痛んでいる。ちゃんと働いたらちゃんと暮らせる賃金という当然の願いを伝えたい」と話している。【東海林智】

最低賃金

 最低賃金法で国が定める賃金の下限で、それを下回る額で人を働かせることは許されない。地域ごとに設定され最高額(時給)の東京都の1013円から792円の秋田県などが最も低い。全国の加重平均は902円。毎年6月ごろから議論が始まり、10月ごろに改定される。

あわせて読みたい

注目の特集