石像2300体撮影 ある医師をとりこにした「田の神さあ」の魅力

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
2000体を超す田の神像を調べた八木幸夫さん=鹿児島県霧島市隼人町で2021年5月8日午前10時45分、足立旬子撮影
2000体を超す田の神像を調べた八木幸夫さん=鹿児島県霧島市隼人町で2021年5月8日午前10時45分、足立旬子撮影

 南九州の田園地帯を歩くと、田んぼの傍らにたたずむ石像を目にすることがある。地元で親しみを込めて「田(た)の神(かん)さあ」と呼ばれる田の神像。それを11年かけて、2000体以上も写真に収めた人がいる。何がそうさせたのか?

 2010年、鹿児島県霧島市の山あいで診療所を営む内科医の八木幸夫さん(73)は、往診中、田んぼのあぜ道にぽつんと立つ石像を見つけた。地蔵かと思って近づくと違った。「あれは、田の神さあだよ」。高齢の患者に聞くと、そう教えてくれた。田を守り稲の豊穣(ほうじょう)をもたらす神で、農村の信仰の対象。風雨にさらされながら稲の成長を見守る姿に、八木さんは心打たれた。

 往診の度に気をつけていると、あちこちで見つけた。それぞれ顔や形が違う。興味が湧いて週末に車で探し回り、地元の人に尋ねて調べるようになった。

この記事は有料記事です。

残り1010文字(全文1370文字)

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集