行基の供養堂?発見の菅原遺跡 発掘調査成果の動画公開 奈良

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元興寺文化財研究所が公開した動画の一場面=ユーチューブから 拡大
元興寺文化財研究所が公開した動画の一場面=ユーチューブから

 元興寺文化財研究所は1日、高僧・行基(668~749年)との関連が指摘される8世紀半ばの円形建物跡などが見つかった菅原遺跡(奈良市疋田町)の発掘調査成果を約14分の動画にまとめ、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。同遺跡を巡っては、専門家から現地保存を求める声が上がり、県が宅地開発業者と交渉したが条件が折り合わず、断念。動画は後世に成果を伝える貴重な資料となりそうだ。【加藤佑輔】

 遺跡は平城宮跡の西方、標高106メートルの丘陵上にあり、東大寺の大仏造立を指揮した行基ゆかりの寺「長岡院」推定地にあたる。動画ではそうした立地に加え、15基の柱穴(直径約21センチ)が円状に並ぶ特殊な円形建物の構造や大規模な回廊跡など、今回確認された遺構や瓦などの出土遺物を紹介。円形建物は後世の仏塔建築「多宝塔」の原形である可能性が高く、その性格を「行基を弔う『供養堂』とみられる」と指摘している。

現地保存は断念 専門家「非常に残念」

 遺跡の現地保存を断念したことについて、「行基と知識集団の考古学」(清文堂出版)の著書がある堺市文化財課の近藤康司学芸員は、「民間開発の過程で見つかったもので、事業者の意向が優先されるのは仕方がないが、歴史的価値のある遺構なので非常に残念だ」と話した。

 考古学者らでつくる「文化財保存全国協議会」(奈良市)は5月、遺跡の現地保存を求める要望書を文化庁や県、奈良市などに提出。古都奈良の自然・文化遺産を守る会(同)も知事や開発業者などに宛て、現地を歴史・遺跡公園として整備することなどを求める要望書を送付した。

 動画は「元文研ちゃんねる」(https://www.youtube.com/watch?v=ECYqbScs_Hk)で視聴できる。

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