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菅原議員が辞職願 長期政権のおごりの末に

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 前経済産業相の菅原一秀衆院議員が辞職願を議長に提出した。選挙区の有権者に、公職選挙法で禁じられた寄付をしたとして略式起訴される見通しとなったためだ。

 菅原議員は葬儀に枕花を贈ったり、秘書に香典を持たせたりしたことを認めている。

 さらに、選挙区内で開かれた行事の際、主催者側に計数十万円を渡した疑いも浮上している。

 有権者に金品を渡してはならないことは、政治家にとって「イロハのイ」である。

 刑が確定すれば、公民権停止となり、失職する。追い込まれた末の辞職であり、遅きに失したといわざるを得ない。

 東京地検特捜部は昨年、枕花や香典について罪に問うほどの悪質性はないとして起訴猶予とした。

 これに対し、市民で構成する検察審査会は「起訴相当」と議決した。特捜部は再捜査で行事での現金提供の疑いを把握し、略式起訴の方針に転じた。当初、捜査を十分に尽くしたのか疑問が残る。

 菅原議員は記者会見をせずに謝罪コメントを出しただけだ。検察の処分が出ていないことやコロナ禍を理由に、国民への直接の説明は控えると記した。

 しかし、説明責任を果たさないまま退場することは許されない。

 「政治とカネ」の問題を巡る自民党国会議員の辞職は、この半年で4人に上る。

 いずれも安倍前政権の閣僚や、関係が深い議員だ。長期政権のおごりが招いた事態ではないか。

 菅原議員は菅義偉首相の側近で、経産相就任に際しても後押しを受けた。首相の政治姿勢も問われている。

 自民党の責任は重い。

 菅原議員は以前にも、有権者にカニやメロンなどを贈った疑惑が報じられていた。ところが、党として調査せず、起訴猶予となった後に衆院厚生労働委員会の筆頭理事に起用していた。

 政治とカネの問題について、二階俊博幹事長は「ずいぶん、きれいになってきている」と語った。

 選挙にカネがかかるのは、政治家だけの責任ではないとの趣旨の発言もした。

 認識を疑う。こうした体質を改めなければ、政治不信が深まるばかりだ。

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