「政策ゆがめた事実、認められず」　農水省第三者委が鶏卵汚職報告書

　鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表と吉川貴盛元農相が在宅起訴された贈収賄事件を巡り、農林水産省が設置した外部有識者による第三者委員会（座長・井上宏弁護士）は3日、一連の問題に関する報告書を野上浩太郎農相に提出した。元代表からの要望を受けた政策変更は確認されず、「政策がゆがめられた事実は認められなかった」と結論付けた。ただ、行政が政治や業者から働きかけを受けやすい構造にあるとし、政策決定の透明性を高める必要性を指摘した。

　第三者委は今年1月、吉川元農相らの働きかけで養鶏・鶏卵行政の公正性がゆがめられていないかを検証する目的で設置された。家畜を快適な環境で飼育する「アニマルウェルフェア（AW、動物福祉）」を巡る国際基準の策定過程▽日本政策金融公庫の養鶏業者に対する融資方針の決定過程▽農水省幹部職員と養鶏・鶏卵事業者との会食の実態――など、贈収賄事件で問題視された内容を検証対象とした。