「子供たち家庭持ったよ」消防団員だった夫に報告 普賢岳遺族代表

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
犠牲者追悼式で遺族代表としてあいさつする大町寿美さん=長崎県島原市で2021年6月3日午前10時25分、平川義之撮影
犠牲者追悼式で遺族代表としてあいさつする大町寿美さん=長崎県島原市で2021年6月3日午前10時25分、平川義之撮影

 子供たちと元気に今日まで来ることができたよ――。大火砕流の犠牲者追悼式で遺族代表あいさつをした大町寿美さん(64)は式典に先立ち、長崎県島原市内にある「消防殉職者慰霊碑」前に設けられた献花所を訪れ、消防団員として警戒活動中に犠牲になった夫の安男さん(当時37歳)にそう報告した。

 30年前の6月3日夕、大火砕流発生の一報を受けた寿美さんは「主人はどこかに避難しているはず」と信じていたが、安男さんの名前がテレビで流れていることを知り、慌てて病院に駆けつけた。だが、安男さんは既に会話はできず、意識があるかどうかも分からない状態だった。翌朝、息を引き取った。

 3歳から小学3年まで3人の息子を抱え、寿美さんは途方に暮れた。一家は葉タバコ栽培と酪農を営んでいたが男手を失ったために転職を余儀なくされ、パートで生計を立てて懸命に育て上げた。

この記事は有料記事です。

残り360文字(全文728文字)

あわせて読みたい

ニュース特集