「香港に自由を」スター歌手の苦闘 デニス・ホーさんを追った米映画公開

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映画「デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング」の場面からⒸAquarian Works, LLC■スー・ウィリアムズ監督ⒸAquarian Works, LLC
映画「デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング」の場面からⒸAquarian Works, LLC■スー・ウィリアムズ監督ⒸAquarian Works, LLC

 アジアを代表する、香港のスター歌手のデニス・ホー(何韻詩)さんは、2014年に香港の民主化要求デモ「雨傘運動」に参加したため中国市場から締め出され、香港でも苦境の中にある。「香港に自由を」と訴え続けながら、新たな音楽活動の道を模索する姿を追った米ドキュメンタリー映画「デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング」(スー・ウィリアムズ監督)が5日から、東京を皮切りに全国で公開される。香港で統制が強化された香港国家安全維持法(国安法)施行から間もなく1年。民主派への締め付けはさらに厳しさを増している。

 ホーさんは1977年、香港で生まれた。11歳のとき家族とカナダのモントリオールに移住。歌手を目指して香港に戻り、オーディション番組をきっかけに芸能界入りした。香港ポップス界で人気を誇った歌手のアニタ・ムイさんに師事。01年にデビューし、スターへの道を歩み始めた。音楽のほか映画や舞台でも活躍。12年にはLGBTなど性的少数者のパレードに参加し、自ら同性愛者であることを公表した。香港の女性芸能人では初のカミングアウトだった。

 14年の雨傘運動では、学生らデモ参加者に向けて警察が催涙弾を放つのを見て衝撃を受け、運動に身を投じた。抗議活動の最前線で路上に座り込み、警察に逮捕された。

ブラックリストに

 中国本土でも高い人気を誇ったが、運動に参加したため中国のブラックリストに載ったとみられ、中国で公演ができなくなった。中国メディアは「路上占拠を支持した芸能人を追放せよ」と報じた。中華圏の多くの芸能人は中国市場が主な収入源となっており、ホーさんも例外ではなかった。レコード会社との契約が切られ、スポンサーも離れた。香港で大きな公演を開くのが困難になり、観客の足も遠のいた。…

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