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少子化考

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中国、加速する少子化 「経済成長が止まった時」がポイントに

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インタビューに答える厳善平・同志社大大学院教授=京都市上京区で2021年5月25日、山崎一輝撮影
インタビューに答える厳善平・同志社大大学院教授=京都市上京区で2021年5月25日、山崎一輝撮影

 「一人っ子政策」に象徴される出産制限を40年以上にわたって実施してきた中国が、方針転換を鮮明にしている。背景には、日本を上回る急速な少子化がある。現代中国の人口問題に詳しい同志社大大学院グローバル・スタディーズ研究科の厳善平教授は、経済成長が止まった時、政府がどう動くかがポイントになると指摘する。

出産制限は時代遅れ

 ――中国の少子化の現状を教えてください。

 ◆中国の合計特殊出生率が2010年の国勢調査では1・18だったのが、15年の人口抽出調査では1・05となり、日本の最低水準(05年)の1・26を大幅に下回った。北京や上海など大都市では0・9や0・8といった数値も出ており、少子化の勢いは加速している。当然このまま放置してしまうとさまざまな方面でマイナスの影響が出てくる。

 中国政府も15年に「一人っ子政策」を見直し、16年から子供を2人まで容認する「二人っ子政策」に全面転換した。ただ転換後1年目こそ出生数は増加したが、その後は毎年減少し続けている状態だ。そして昨年は新型コロナウイルスの影響もあり、新生児は前年より2割弱も少ない1200万人と、改善の兆しは見られない。今年5月31日には子供を3人まで容認する方針が示されたが、2人どころか1人でも産もうとしない厳しい現状では、その少子化対策としての効果は期待できないとの意見が多い。

 個人的には出産制限は時代遅れであって一刻も早く完全撤廃すべきだと考えている。さらに所得税の減免や現金給付、医療費免除など、積極的な出産・育児支援をしないと少子化は止まらない。

子供を持つメリットは減少、コストは増大

 ――中国の少子化の背景にはどのような要因があるのでしょうか。

 ◆子供をもうける…

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