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性変更の女性、親の地位確認求め国提訴 凍結精子で子どももうけ

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提訴後に記者会見する原告の会社員=東京都内で2021年6月4日午後2時35分、遠山和宏撮影 拡大
提訴後に記者会見する原告の会社員=東京都内で2021年6月4日午後2時35分、遠山和宏撮影

 男性から女性に性別変更したトランスジェンダーが、凍結保存していた精子を使って女性パートナーとの間に子どもをもうけたところ、自治体から法律上の親として認められない事態となっている。生物学上は父親だが、戸籍上は女性のため、要件を満たさないと判断されたとみられる。このカップルが4日、親になれる地位確認を国に求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴えたのは、男性から女性に性別変更した東京都内の40代の会社員と、30代の主婦のカップル。訴状によると、凍結保存した会社員の精子により、主婦が2歳の長女と乳児の次女を出産した。戸籍上は女性同士のため婚姻できず、2020年3月、会社員を娘2人の父とする認知届を出したが、いずれも提出先の自治体が受理しなかった。

 原告側は「生物学上の親である上、実際に子どもを監護、養育している。認知届は受理されるべきで、法的に承認されないことで傷つけられた」と主張。不受理を実質的に判断しているのは国だとし、計320万円の国家賠償も求めた。子を請求者として東京家裁に認知の訴えも起こした。

 提訴後に記者会見した会社員は「子どもが欲しいという思いは性的少数者でも同じ。親子と認められなければ、病気や事故の時に、私は書類上、他人となる。病院が親と見なしてくれるのかいつも不安に思っている。今回の裁判が親子と認められずに困っている人たちの助けになれば」と話した。【遠山和宏】

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