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未来のエースに訪れた「奇跡」 絶望から救った内村航平の一言

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体操のNHK杯で、平行棒の演技をする北園丈琉。大けがからわずか1カ月で実戦に復帰した=長野市ビッグハットで2021年5月16日(代表撮影)
体操のNHK杯で、平行棒の演技をする北園丈琉。大けがからわずか1カ月で実戦に復帰した=長野市ビッグハットで2021年5月16日(代表撮影)

 強い決意をうかがわせる18歳の表情に驚きと感動を覚えた。東京オリンピックの代表選考会を兼ねた5月の体操のNHK杯。北園丈琉(たける)=徳洲会=は長野市内の試合会場に姿を現した。その約1カ月前、試合で大けがをし、五輪への道のりは閉ざされたかに見えたからだ。未来のエースは全日本種目別選手権(5、6日、群馬・高崎アリーナ)で最後のチャンスに懸ける。

ヒーローは仮面ライダーと「航平さん」

 4月、首位で臨んだ個人総合の全日本選手権決勝。最年少優勝を視界に捉えながら、最終種目の鉄棒で落下。両肘に激痛が走り、しばらく起き上がれなかった。

 「ボキボキって音がした」。その瞬間を北園はそう振り返る。それでも諦められず、再び鉄棒のバーを握ってぶら下がったが、続けることはできなかった。

 中学時代から指導を受ける大阪・清風高の梅本英貴監督に付き添われて会場を後にし、医務室で2人で涙を流した。

 「こんな事あるんや」。衝撃の大きさのあまり現実感がなかった。梅本監督は「もう東京五輪は無理だな」と思った。診断の結果、両肘の靱帯(じんたい)損傷に加えて右肘の外側の骨は剥離骨折していた。

 けがをしてから3日ほどのことだったという。突然、北園の携帯電話が鳴った。電話の主は内村航平(ジョイカル)だった。連絡先は交換していたが、電話がかかってきたのは初めてだった。驚きのあまりすぐには返事ができなかった。北園の様子を心配する内村から人づてに申し出があり、梅本監督は「ぜひ電話してやってほしい」とお願いしたという。

 「大丈夫?」「気持ちを切らさなかったら、絶対に戻ってこられるから」

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