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「大豆田とわ子と三人の元夫」 脱ストーリーの実験作=碓井広義

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 困ったドラマだ。「どんな話?」と聞かれて、「こんな筋だよ」と即答しづらいのだ。「大豆田とわ子と三人の元夫」(関西テレビ制作・フジテレビ系、火曜午後9時)である。

 珍しい姓の大豆田とわ子(松たか子)。平凡な姓を持つ田中(松田龍平)、佐藤(角田晃広)、中村(岡田将生)が元夫だ。3人は離婚後も、とわ子が気になって仕方ない。とはいえ元妻の争奪戦を繰り広げるわけではない。4人の微妙な関係と日常が、じんわりとユーモラスに描かれていく。

 しかし一瞬も目を離すことはできない。いや、正確にはどんなセリフも聞き逃すことができない。ストーリーよりも大事なのは、登場人物たちの関係性が生む「セリフ」だからだ。脚本の坂元裕二が仕掛けた、<脱ストーリー>という実験作と言っていい。2017年の「カルテット」(TBS系)以上に、舞台劇のような言葉の応酬はスリリングで、行間を読む面白さがある。個々のセリフが持つニュアンスを、絶妙な間と表情で伝える俳優…

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