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少子化考

世界各地を記者が歩きながら、少子化社会の課題や、子どもを持つ意味、家族の幸せとは何かを考えます。

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少子化考

日本、中国、韓国に共通する現象 男女格差も背景に?

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吉野学さん(39)と陽子さん(37)夫婦。自然豊かな秋田で長男、純太ちゃん(5)と長女ひなたちゃん(1)を育てたいと考えている=秋田市で2021年2月17日、中村聡也撮影
吉野学さん(39)と陽子さん(37)夫婦。自然豊かな秋田で長男、純太ちゃん(5)と長女ひなたちゃん(1)を育てたいと考えている=秋田市で2021年2月17日、中村聡也撮影

 連載「少子化考」では、中国の農村で未婚女性が少なくなる状況をみてきたが、同様の現象は既に日本の地方でも起きている。日本、中国、韓国の3カ国に共通する問題とは何か。男女間の格差は少子化にどう影響するのか。

秋田県でも未婚女性不足

 2019年まで婚姻率が20年連続で全国最低を記録した秋田県。17年には人口が戦後初めて100万人を割り込み、全国最速で少子高齢化が進む。

 「県外に出た女性が戻ってこない」

 県あきた未来戦略課の担当者は頭を抱える。

 戦前から都市部への労働力の供給地だった秋田県で、20~39歳の女性の流出ペースが男性を逆転したのは08年以降。秋田ではここ10年、県外への転出者数が転入者数を上回る転出超過分の約6割を女性が占める。同世代の「父親候補」が多く県内に残される人口構成だ。

 秋田市に住む高校の非常勤職員、吉野陽子さん(37)は「子供が成長した時に興味のある分野の進学先や就職先が県内にあるとは限らない」と秋田の課題を語る。陽子さん自身も、「流出した女性」の一人だった。同県湯沢市の出身だが、大学進学を機に茨城県に移り住み、卒業後は東京都内のアパレル会社に就職。1歳と5歳の子供たちを自然豊かな環境で育てたいと考え、17年に秋田に戻った。だが周囲には「一度県外に出ると、秋田に戻ってこない人が多い」と話す。

 地方事情に詳しいみずほリサーチ&テクノロジーズの岡田豊上席主任研究員は、地方で女性が流出する共通の背景として、…

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