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日米地位協定

在日米軍に対する特別待遇を定め、さまざまな問題を生む元凶ともされる日米地位協定。見直しを求める声が広がっています。

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米軍やりたい放題「全部撮る」 覚書無視の夜訓練捉えたいらだち

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地元自治体と防衛省九州防衛局との「覚書」を無視した米軍の時間外の実弾射撃訓練を示す証拠となった写真=2020年2月14日午後8時28分、高見剛さん撮影
地元自治体と防衛省九州防衛局との「覚書」を無視した米軍の時間外の実弾射撃訓練を示す証拠となった写真=2020年2月14日午後8時28分、高見剛さん撮影

 沖縄の米軍基地負担軽減策の一環として、在沖縄米海兵隊が1999年から大分県の陸上自衛隊日出生台(ひじゅうだい)演習場で実弾射撃訓練を始めて22年。地元自治体と防衛省九州防衛局は午後8時以降の射撃訓練の自粛を定める覚書を交わしているが、米海兵隊は2020年2月に取り決めを無視して夜間訓練を実施。「やりたい放題」の米軍の実態を知らしめたのは、地元に密着するフォトグラファーが撮影した1枚の写真だった。

住民・自治体の抗議無視

 「ドン」。胸を揺さぶるような音を大分県由布市の写真家、高見剛さん(70)が耳にしたのは、寒さも厳しい20年2月14日。時刻は午後8時を過ぎていた。「まさか」。演習場を見渡せる県道脇に据え付けたカメラをのぞき、慌ててシャッターを切った。破裂音と共に暗闇に広がった閃光(せんこう)。激しい着弾音は午後9時前まで続いた。

 地元自治体と九州防衛局が12年に結んだ覚書(17年に確認書に格上げ)を無視する午後8時以降の米軍の実弾射撃訓練を伝えた高見さんの写真は、反対派の住民団体を通じてさまざまなメディアで紹介されて批判が広がった。だが、米軍は住民や地元自治体の抗議を無視し、その後も午後8時以降の実弾射撃訓練を続行。夜間の実弾射撃訓練は計5日間、67発に及んだ。

 広瀬勝貞知事は覚書を順守するよう当時の河野太郎防衛相に抗議。しかし、1年後の21年3月、岸信夫防衛相は米軍が県の要望を受け入れなかったと広瀬知事に回答。岸防衛相は「日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなる中、米軍の即応能力をいかに維持するか米軍は気を使っている」と説明するにとどまり、広瀬知事は「残念を通り越して遺憾だ」と不快感を示した。

撮影待ち「ドン、ドン、ドン」

 米軍の夜間の実弾射撃訓練を撮影した高見さんは大分県日田市出身。20歳の頃、兄で画家の乾司さん(73)にカメラを買ってもらい、写真を撮り始めた。日田市で古美術商をしながら…

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