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楽しげで鮮やかな色彩が日本の古典的な自然美、雪月花と融合している。夜明けをほうふつさせる空の下、ファッション誌から飛び出したような若者たち。伝統的な大和絵、中世ヨーロッパのダマスク柄、現代アートの技法であるドリッピング――古今東西、さまざまな時代のモチーフや手法を引用し、どこにも存在しない、静かな世界が出現している。
米ニューヨークを拠点に活動する松山智一さん(45)は、小学生の3年半を米カリフォルニア州で過ごした。同地ではアジア系として、帰国後は帰国子女として、マイノリティーのアイデンティティーを模索してきた。「ホーム」と呼ぶ場所がない、今いる場所とのズレを常に感じながら、いくつものイメージをつなぎあわせ、複数のルーツをまとめ上げてきた。
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